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意外な盲点!後から問題が発生しない業務引き継ぎのポイント

経営・業務改善

仕事をするうえで盲点となるのが引き継ぎです。業務のやり方は知っていても引き継ぎの仕方がわからないという方も少なくありません。十分な引き継ぎがなされないまま前任者が退職したり異動したりしてしまうと、後でさまざまな問題が発生する可能性があります。

この記事では、業務の引き継ぎがうまくいかない原因やそれによって発生する問題についてご説明しながら、円滑な引き継ぎ方について解説します。

業務の引き継ぎがうまくいかない理由

はじめに業務の引き継ぎがなかなかうまくいかない理由についてみていきましょう。

引き継ぎの仕方がわからない

まずはそもそも担当者が引き継ぎの方法を知らないというケースが挙げられます。業務の仕方は教わっても引き継ぎの仕方を教わるということはあまりありません。「自分がどのように引き継ぎをされたのか」を思い出せばなんとなく方法がみえてくるのですが、それが数年~数十年前のこととなると忘れてしまいます。

マニュアルが不十分

マニュアルを使って引き継ぎを行えば比較的スムーズですが、マニュアルに不備や漏れがあるとうまくいかなくなってしまいます。

そもそもマニュアルが完備されていない職場もありますが、よくありがちなのが「担当者目線」でつくられているケースです。たとえば、マニュアル作成者が「当然わかっているだろう」と手順や詳細な説明を省略したり、説明に専門用語を多用していたりすると、特に新入社員や若手社員にとってはわかりにくいマニュアルになってしまいがちです。

スケジューリングが甘い

業務の引き継ぎは担当者が異動または退職するまでというように、ゴールが決まっているケースが一般的です。もちろんそこに向けて業務を引き継いでいくのですが、スケジューリングが甘くて十分な引き継ぎができない場合もあります。

引き継ぎ業務に漏れがあった、業務量の増加や突発的なトラブルなどで引き継ぎの時間がとれなかった、教えるのに思った以上に時間がかかったなど、さまざまな理由で引き継ぎが当初のスケジューリングよりも遅れることがよくあります。

コミュニケーションミス

担当者と後任者とのコミュニケーションが十分にとれていないことで引き継ぎがうまくいかないケースも多いです。引き継ぎの時間が十分とれなかったり、わからなかった部分があっても質問しづらくなってしまったりします。

コミュニケーションミスは、引き継ぎができない理由のなかでもかなり深刻な問題です。仮にマニュアルがしっかりと整えられていて、スケジュールが組んであったとしても、コミュニケーション不足で引き継ぎが十分にできないパターンもよくあります。

業務の引き継ぎがうまくいかないと……?

業務が十分に引き継がれていないことで、職場にさまざまな問題が発生するリスクがあります。どのようなことが起こるのか、みていきましょう。

担当者が退職・異動した後に業務がまわらなくなる

一番起こり得る問題であり深刻なのは、担当者が退職や異動した後に業務がまわらなくなってしまう点です。特に慣れや特殊な知識・スキルが必要な業務の場合、引き継ぎをよほどしっかりとしておかないと業務が円滑に遂行できなくなってしまう可能性があります。

仮に業務がまわらないとなると前任者に戻ってもらう、商品やサービスの提供を止める、事業規模を縮小させるなど、経営的にも大きなリスクが生じます。

ミスや損失が発生しやすくなる

引き継ぎが不十分であると後任者が業務内容を十分に理解できていないため、ミスや損失が発生しやすくなります。担当者が変わった途端、顧客からのクレームが増加したり、商品やサービスの品質が低下したりといったトラブルが発生するケースも少なくありません。

生産性が低下する

引き継ぎが不十分で業務がまわらない、ミスや損失が頻発するとなると、上司やほかのメンバーがサポートしなければなりません。業務を手伝う、確認をする、クレーム対応や謝罪しなければならないなど、本来行うべき業務以外のさまざまな仕事(悪く言えば尻拭い)に追われるため、部署あるいは会社全体の生産性が低下する可能性があります。

前任者に迷惑をかける

たとえば、引き継ぎ後に不明確な部分が残っていたりトラブルが発生したりした際に、それがほかの人に聞いても解決できない場合は、前任者に尋ねるしかありません。電話やメールなどで問い合わせるか、直接会って打ち合わせをする必要があります。

前任者が異動や転職をした場合は、異動先や転職先の仕事に支障が出るかもしれません。定年退職した場合は、生活に少なからず影響を及ぼします。いずれにせよ、前任者に迷惑をかけてしまうことになります。

業務の引き継ぎのポイント

最後に、業務をスムーズに引き継ぐためのポイントについてみていきましょう。

何を引き継ぐか洗い出し優先順位をつける

まずは「どんな仕事を引き継がなければいけないか」をピックアップしてみましょう。箇条書きでもよいので、紙やWord、Excelなどでメモをつくってみることをおすすめします。その後、優先順位をつけます。

このように業務を見える化することで、スケジューリングもしやすくなります。洗い出す作業のなかで、忘れていたことを思い出すといった効果も期待できます。

スケジュールをしっかりと立てる

引き継ぐべき業務をピックアップしたらスケジュールを立てましょう。前述のとおり、引き継ぎは期限が決まっているケースが少なくありません。

たとえば、マニュアルを読むだけで理解できる内容であれば、わざわざ一から十まで話をして引き継ぐ必要はないかもしれません。ほかの人でも知っている内容であれば、その人にフォローを任せるのも手です。業務に支障がないよう最低限のことをしっかりと引き継ぎ、自分がいなくなったとしても業務がまわるよう意識してスケジュールを組みましょう。

引き継ぎ資料(マニュアル・テンプレートなど)を作成する

引き継ぎは、マニュアルやテンプレートがあればスムーズに行えます。業務内容によってはマニュアルを読むだけで理解できることもあるでしょう。書類作成などの業務であればテンプレート化することで引き継ぎの効率やその後の業務効率の改善が可能です。

作成した資料は、一度上司や同僚など第三者目線でチェックしてもらうことで、よりわかりやすいものとなります。

すでにマニュアルがある場合は一度内容の見直しを行い、「新人がみてもわかりやすいか」「抜けや漏れはないか」「実態に即しているか」をチェックしましょう。

動画マニュアルを活用する

マニュアルの作成は労力がかかる作業です。文章を書いたり写真やキャプチャなどの画像を貼り付けたりしなければなりません。また、ほかの人には共有しづらいため、作成した本人しか抜け・漏れの有無がわからないというケースも多いです。

そこで実際に作業を行っているところや画面キャプチャを撮影した動画マニュアルの作成がおすすめです。紙のマニュアルよりも共有しやすい、パソコンやスマートフォンでも閲覧できる、複数人でチェックがしやすい、業務の流れが理解しやすいなど、さまざまなメリットがあります。

引き継ぎ後のフォロー期間を設ける

引き継ぎの期限まで余裕がある場合は、フォロー期間を設けましょう。実際に後任者に業務を任せてみて、理解できていない点を確認します。後任者にとってもフォロー期間があることで安心して業務に従事できるようになります。

また、業務の引き継ぎは往々にして当初のスケジュールどおりには進まないことのほうが多いです。進捗が遅れている場合は、フォロー期間で引き継ぎを継続させることもできます。

コミュニケーションをしっかりととる

担当者と後任者がしっかりとコミュニケーションをとれていれば、スムーズな引き継ぎが可能です。理解できていなかった点があったり、ミスが発生してしまったりしても、すぐに聞けたり相談したりできるようになります。

また、担当者が後任者にこまめに声をかけることで、引き継ぎを受けるにあたって抱えている問題や不安をいち早く把握し、的確なフォローができるようになります。

まとめ

引き継ぎを行ううえでもっとも重要なのがコミュニケーションです。いくらマニュアルや資料を渡したとしても、「これやっといて」だけでは不十分。しっかりと話をしながら業務のやり方を伝えていく必要があります。

コミュニケーションがとれていないと担当者にとっては後任者に伝えたい情報を伝えられない、あるいは後任者にとってはわからないことがあっても聞けない状況に陥ってしまいます。そのままにしておくと引き継ぎ期間後になんらかの問題が発生するリスクが非常に高いです。

また、日頃から若手に仕事を少しずつ引き継いだり情報を共有したりしておけば、異動や退職間際に慌てて引き継ぎをする必要はありません。これもコミュニケーションができているかどうかにかかっています。

Goodモチベーションを使うことで上司と部下のコミュニケーションが円滑になります。モチベーション診断で部下の考え方がわかり、面談でコミュニケーションを強化することも可能です。部下の想いやキャリアプラン、特性がわかることで、後任者を選定する際のヒントにもなるかもしれません。

詳しくはこちらのページをご覧いただければ幸いです。


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