どうしたら埋められる!?職場のジェネレーションギャップ
世代が違えば育ってきた環境や生きてきた時代背景も異なるため、考え方や価値観に大きな乖離が生じます。弊社では最近、10~20代の新入社員や若手、いわゆるZ世代とのジェネレーションギャップに悩む40代、50代の管理職の方からの相談を多数いただいております。一方で新入社員や若手の方も社会に出たばかりで戸惑っているのは間違いありません。そこで、今回は管理職の方のために、Z世代の傾向やジェネレーションギャップの要因・背景、根本解決に必要な考え方や対策方法について解説します。
Z世代とは?どんな傾向がある?
はじめに最近の新入社員や若手社員の傾向について知っておくことが大切です。Z世代がどのような環境で育ってきたのか?どのような傾向があるのか?みていきましょう。
Z世代とは?
「Z世代」とは、1990年代後半から2000年代に生まれ、現在10歳~25歳になっている人を指します。今新入社員や若手として社会に羽ばたいている、あるいはこれから羽ばたこうとしている世代です。
アメリカでは、1960~70年代に生まれた人を「ジェネレーションX」と呼び、それが転じて「X世代」と呼ばれました。その次の世代である1980~90年代生まれの人を「Y世代」。さらにその次の世代は「X」「Y」の次ということで、「Z世代」と呼ぶようになったのです。
Z世代が育ってきた時代背景
Z世代が誕生したのは、バブル崩壊後の日本。ITバブルやアベノミクスで景気が上向いた時期もありますが、高度経済成長期やバブル経済期のような好景気を経験したことはありません。「氷河期」「失われた20年」といわれるような厳しい時代を過ごしてきました。
一方で子どもの頃からパソコンや携帯電話、スマホなどのデジタルデバイスが身の回りにある、「デジタルネイティブ世代」ともいえます。
Z世代の傾向とは
Z世代は、良い時代を体験していないため、質素倹約が身についており、見通せない将来に対する不安感も大きく、非常に慎重で無駄遣いをしない傾向があります。何かをする際には、しっかりと調べて失敗がない選択肢を選ぼうとする傾向がほかの世代よりも強いです。
デジタルネイティブでパソコンやスマホを使いこなし、SNSやチャットツールなどのオンラインのコミュニケーションにも慣れています。近年のリモートワーク化、オンライン化の流れにもほかの世代と比べると順応しやすいといえます。一方で従来のコミュニケーション(電話応対など)は、若干苦手な傾向があるようです。
非正規雇用の拡大や長時間労働の常態化など、自分たちの上の世代が厳しい労働環境におかれていること、それにも関わらず経済が成長していないこと、加えてライフワークバランスを大切にするという価値観が拡がっていることから、出世に対してはあまりこだわらず、仕事もプライベートの大切にしたいと考えている人が多いようです。
もちろん、同じZ世代でも考え方は人それぞれ異なります。上記はあくまで傾向ですが、以上の事柄に該当する方が多いと考えられます。
ジェネレーションギャップが生じる要因
次に本題であるジェネレーションギャップが生じる要因について考えていきましょう。
なぜジェネレーションギャップが生じるのか?
冒頭でもお話したとおり、世代によって価値観や生まれ育ってきた時代背景が異なります。若手であるZ世代にはZ世代の、その上のY世代にはY世代の、そして管理職となっているX世代にはX世代の価値観があります。国が違えば言語や文化も違うように、世代間でも考え方が異なるため、ある種ジェネレーションギャップが生じるのは当然のことといえます。
まずは、お互いの価値観やその背景を知ることが大切ですが、頭ではわかっていたとしても、「我々の時代はこうだったから」「これが常識だから」と自分の価値観を相手に押し付けてしまうことでジェネレーションギャップが生じます。
また、コミュニケーション不足もジェネレーションギャップが生じる大きな要因です。
ジェネレーションギャップは半数以上の職場で生じている
人材育成を支援するサイコムフレンズの『社会人調査』によると、52%の人が「ジェネレーションギャップが業務を進める上でマイナスに働いている」と感じているそうです。
特に40代、50代の人はコミュニケーションのとり方に悩んでいる傾向があります。「部下にどう接したらいいかわからない」「円滑にコミュニケーションがとれる方法を模索している」という管理職の方が多いのです。
一方でZ世代は思考のしかたについて悩んでいる傾向があります。「上の世代が『当たり前』と思っていることに対して疑問を感じる」「上司が言う『常識』の根拠がわからない」と感じている方が多いようです。やはり、これも突き詰めればコミュニケーション不足が遠因となっていると考えられます。
Z世代は何を望んでいるのか?
プライベートを重視するZ世代。「あまり干渉しすぎるのはよくないのでは」と思われている管理職の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、彼らは上司とコミュニケーションをとりたくないというわけではないのです。むしろ、「上司とじっくり話す機会が欲しい」「上の世代の考え方を知りたい」と思っている人が多いという調査結果も出ています。
「皆がやっているから」「それが常識だから」と押し付けるのではなく、「なぜそれが当たり前なのか?」をいっしょに考えて、価値観をすり合わせするコミュニケーションの機会が重要なのかもしれません。
ジェネレーションギャップは埋められる?どうすればいい?
それでは果たして職場におけるジェネレーションギャップは埋めることができるのでしょうか?その方法について考えていきましょう。
ジェネレーションギャップを埋めるために
まずは上の世代がZ世代に働きかけることが大切です。「常識に合わせろ」「今までこうしてきたから」と、いわば下の世代が上ってくるのを求めるのではなく、上の世代が下りる感覚で、下の世代の価値観や考え方を知る必要があります。そのためにも、コミュニケーションのとり方を考えていくことが大切です。
まずは日頃から話しかけやすい雰囲気をつくりましょう。Z世代に限らず、上司が忙しそうにしていたり、表情が怖かったりすると、萎縮して話しかけづらくなります。また、話す際には「常識だから」「こういうものだから」と押し付けることはせず、「どう考えているか?」「何を考えているか?」を聞き、共感を示しましょう。
コミュニケーションの機会を増やすことも大切です。定期的に1on1のミーティングを開くことで、じっくりと部下と上司が対話でき、お互いの価値観をすり合わせることができます。また、モチベーション診断ツールを使うことで、部下の不満や本音などを可視化することができます。
ジェネレーションギャップを完全に埋めることは不可能
前提とすべきなのは、「ジェネレーションギャップを完全に埋めることは無理」だということです。国が違えば文化が違うように、世代間で価値観の違いが出るのは当然といえます。仕事の進め方や向き合い方など、業務の根幹に関わる共通認識を最低限すり合わせ、後はお互いの価値観を尊重することが大切です。
むしろジェネレーションギャップが組織づくりに活きるケースもあります。Z世代はこれから会社の中核を担う人材です。マーケットにおいても今後Z世代が消費者のコアとなってきます。Z世代の意見を否定しない・取り入れるべきところは取り入れることで、多様性が生まれ、柔軟なアイディアが出る、強い組織に生まれ変わる可能性があります。
まとめ
弊社では管理職の方から相談をいただくことが多いのですが、Z世代の方も同じくらい悩まれています。特に新入社員の方は、社会に出たばかりで不安を感じているので、余計に悩みが深くなりがち。それに加えてZ世代の方は慎重な気質もあり、上司とのジェネレーションギャップだけではなく、「ほかの会社の同年代の人はどう考えているのか?」ということも気にする傾向があります。
それを上司が「それはあなたの世代の話だから」「常識だから」と押さえつけても、Z世代にとっては受け入れがたいものとなってしまいます。
Goodモチベーションのモチベーション診断を使い、キャリア面談の機会を設けることで、部下と上司がお互いに本音を言い合うコミュニケーションをとることが可能です。対話を積み重ねていくことで、少しずつジェネレーションギャップが埋まり、仕事に対する共通認識をすり合わせることができます。
さらに、モチベーション診断は他社の受検者とのデータとも比較できるので、「社外の同年代などほかの人と比べてもそんなに変わっていないんだ!」「若い人たちはこのように考えているんだ」というように、Z世代・管理職双方が気づきを得られます。
サービスの詳細についてはこちらのページ(https://good-motivation.com/service/)で詳しくご説明しております。世代間の距離を縮め、強い組織をつくるためのコミュニケーションツールとして、導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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