グッドモチベコラム

そのまま放置すると危険?定年退職間近の社員のモチベーション低下問題!上げ方のポイント

人材育成・組織改革

これまで頑張ってきたベテラン社員が定年退職を間近に控え、急にモチベーションが下がってしまう事例はよくあります。「もうすぐ定年だからしかたない」と放置しておくと、本人のためにも会社のためにもなりません。

今回は、定年退職間近の社員のモチベーションが低下する原因や、それによって起こり得る問題点、モチベーションの上げ方のポイントについてご説明します。

なぜ定年退職間近の社員のモチベーションが低下するのか?

そもそもなぜ定年退職間近の社員のモチベーションは、下がってしまうのでしょうか。まずはその原因から考えていきましょう。

頑張る意味が見いだせなくなってしまう

若手社員や中堅社員であれば先が長い分、「今頑張れば評価される」「今はきついけれど、この経験が将来に活かせるはず」というような考え方ができます。「あと◯年で定年」というようにゴールが見えてしまうと、どうしても頑張る意味が見いだせなくなってしまいます。

「今頑張ってもどうせ◯年後にはいないから」「どれだけ頑張っても今から評価や待遇は変わらないから」という思考になりがちです。こうしてモチベーションを失ってしまう人も少なくありません。

喪失感や不安感

退職するということは、これまで築いてきた地位や立場を失うことになります。また、役職者の場合は、定年退職の前に役職定年でポストを外されることもあるでしょう。こうした地位やポストを失うことに対する喪失感や不安感によってモチベーションが下がってしまうケースは多く、特に仕事を頑張ってきた人ほど陥りやすい傾向にあります。また、老後の生活に対する不安がモチベーションを低下させるケースもあります。

守りの姿勢に入る

定年退職を控えると「無難に定年を迎えたい」「良い形で終わりたい」という気持ちが強くなり、守りの姿勢に入りがちです。失敗するリスクを極力避ける、新しい挑戦をしないといった、保守的な言動につながります。

加齢による体力・気力の低下

年齢による体力や気力の低下もモチベーションを低下させている可能性があります。本人は頑張っているつもりでも、以前はできていた仕事がうまくできなくなってしまうというケースもよくあります。また、何らかの身体的あるいは精神的な不調でモチベーションが低下している場合も考えられます。

定年退職間近の社員のモチベーション低下を放置することで生じる問題点とは

定年退職を控えた社員のモチベーションが低下するのには、以上のような原因が考えられます。本人が置かれた環境や状況を考えると致し方ない面も多々ありますが、それでも放置しておくと本人のためにも、会社のためにもなりません。ここからは定年退職間近の社員のモチベーション低下を放置することで起こり得る問題についてみていきましょう。

本人に起こり得る問題

定年退職間際の社員のモチベーション低下を放置することで、本人がいわゆる「燃え尽き症候群」に陥ってしまう可能性があります。燃え尽き症候群とは、それまで高いモチベーションを持っていた人が急に気力を失ってしまい、何事に対してもやる気が出ない症状のことを指し、目標ややりがいを失ったときに発症します。これを放置しておくと遅刻や欠勤、怠慢などの問題行動につながります。また、定年後に引きずるとうつ病などのメンタルの不調、認知症など心身の健康にも影響を及ぼしかねません。

定年間際でモチベーションが低下しているということは、すでに燃え尽き症候群が発症している、もしくはその手前まで到達している可能性が高いといえます。

特にこれまで高いモチベーションを保ってきた人、仕事一筋で頑張ってきた人、社内で重要なポストを担ってきた人ほど、定年退職の反動が大きく、燃え尽き症候群に陥る可能性が高いです。

組織に起こり得る問題

定年退職間際の社員のモチベーションが低下することで、職場全体の生産性が下がる可能性があります。前章でもご紹介したとおり、モチベーション低下にはさまざまな原因があります。本人にとってはしかたのないことであり、自身も辛いと感じているかもしれません。しかし、第三者は違った見方をします。特に若手社員に与える影響は大きいです。

モチベーションが下がって仕事をせず、それでも給料をもらうベテラン社員の姿を若手社員が見ると、「自分たちはこんなにも頑張っているのに……」「◯◯さんは仕事してないのに給料は自分たちよりも高いのはおかしい」という不満を抱きかねません。また、若手社員が真似をする可能性もあります。特にモチベーションが下がった定年退職間際の社員と新入社員がいっしょに仕事をすると、ダイレクトに影響を受ける可能性が高いです。

こうして職場全体のモチベーションが下がり、生産性が低下するリスクがあります。

定年退職間近の社員のモチベーションの上げ方ポイント

これまでモチベーションも高く頑張ってきて、さまざまな経験をし、知見も豊富なベテラン社員。やる気がなくなってきたからと放置したり、腫れ物に触るような対応をしたりするのは非常にもったいないです。モチベーションをアップさせることで、本人にとっても、会社にとってもプラスになります。ここからはモチベーションの上げ方のポイントについて見てきましょう。

定年後のキャリアビジョンを話し合う(再雇用など)

前述のとおり、モチベーションの低下や燃え尽き症候群の大きな原因は、目標やポストの喪失です。ベテラン社員がしっかりと目標を持てるよう再雇用や委託などのキャリアプランを話し合いましょう。「自分が定年後に何をするのか」が明確になれば、モチベーションが上向く可能性があります。

リカレント教育(学び直し)の提案とフォロー

今、社会人になっても学び続ける「リカレント教育」が注目されています。学ぶことで目標が見い出せ、刺激にもなります。例として経験を活かしてあえて新しい業務を任せてみるといったことが挙げられます。たとえば、新入社員の教育などを任せれば、「新人を育てる」という大きな目標ができるはずです。そこで、人材育成やマネジメントなどの新しいスキルを学ぶことで、モチベーションがアップする可能性があります。また、リカレント教育のサポート(研修費の補助やセミナー参加の奨励など)もよいかもしれません。

責任ある仕事を与える

定年だからという理由で仕事を取り上げてしまうのは、モチベーションが下がってしまう要因です。人は頼られることでやりがいを覚えます。可能な範囲で責任がある仕事を与えることが大切です。たとえば、若手社員や中堅社員をサポートし、困ったときに相談できる「アドバイザー」「相談役」といったポストを与えるのは非常に効果的です。ベテラン社員が自身の経験や知見を活かすことができ、それが若い世代に受け継がれ、組織全体の成長につながります。

社員の不満や本音を聞き出す

大切なのは「なぜモチベーションが低下しているのか」という原因を探ることです。定年間際の社員の本音や不満を聞き出すことで原因がわかり、モチベーションの上げ方が見つかる可能性があります。たとえば、ポストを失った喪失感が原因であれば、上記のように責任ある仕事を与えることでモチベーションが向上する可能性があります。一方で病気や体力の低下などの問題が原因であればケアを優先させなければいけません。じっくりと話し合う機会を設けてみましょう。

また、若手社員や中堅社員がどう思っているかも重要です。有能な若手が「働かないオジサン」化したベテラン社員の姿を見て不満を感じ、やがて離職するケースも少なくありません。

まとめ

今や人生100年時代。少子高齢化のなかで、ベテラン社員の活用が今後企業における大きな課題となっていくのは間違いありません。誰よりも長く職場にいて習得した熟練の技能、豊富な知識、酸いも甘いも知った経験を使わない手はありません。これらを若い世代に引き継いていくことで、より強い組織になります。また、その過程でベテラン社員もモチベーションを取り戻し、若手社員や中堅社員がその姿を見て刺激を受け、組織が活性化するはずです。

モチベーションが低下した定年退職間際の社員、そしていっしょに働いている若手・中堅社員のモチベーションを維持するツールとして、「Goodモチベーション」を導入してみてはいかがでしょうか。「モチベーション診断」で一人ひとりのモチベーションを可視化することで、たとえば自身の状態を客観的に見ることができたり、他人とも比較して同じ課題や悩みを持っている人などを知ることができます。こうしたデータも参考に「キャリア面談」などで同世代の状況も伝えながら社員の本音を聞き出して課題を洗い出し、それに合わせた施策を実施することで、ベテラン社員のモチベーション維持や再雇用などによる人材活用、若手・中堅社員の離職防止につながります。

詳しい内容はこちらのページをご覧ください。


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