企業をより強くする!組織の課題の見つけ方と改善のポイント
人には自分ができていないことや弱みを直視したくないという心理が働きます。とはいえ、現実から目をそむけ続けているだけでは成長はありえません。組織運営も同じです。会社をよくするためにはあえて組織の課題を直視し、組織の状況や従業員の状態を把握してときには目をそむけなるようなことも受け入れながら変わっていく必要があります。
本記事では、組織運営の課題と改善ポイントについてご説明します。今一度ご自身と会社を見つめ直すことが、ひと回り強い組織づくりにつながります。
組織の課題を見つけるうえで明らかにしたいポイント
「なんとなく組織に問題が生じている」「改善の余地はあるはずだけど、どこを変えればいいのかわからない」という経営者の方や管理者の方も少なくありません。まずは組織の課題を明確にすることが大切です。自社の状況を以下の項目にあてはめて考えてみましょう。
業務フロー
まずは業務フロー(流れ)を俯瞰してみていきましょう。特に納期遅れやミスなどの問題が頻繁に発生するのであれば、どこかにボトルネックが生じているはずです。工場であれば設計、素材、加工、検査、梱包、出荷など、さまざまな工程に分かれています。「そもそも設計から現場に図面が行く段階で遅い」「検査で加工ミスが発覚する」というように、ボトルネックを特定すれば、その部門を集中的に対策する必要があります。
また、ボトルネックがなくても「無駄が発生しているかどうか?」という視点も大切です。不要な工程や人・物の移動を省略すれば、より生産性がアップします。
組織構造
「人員は十分に配置されているか」「人員が足りていない部門はないか」というように組織構造も見直してみましょう。たとえば、ある部署は1日中バタバタしていて深夜まで残業しているのに、ある部署ではマイペースに仕事を進めることができてほとんど定時で退社しているという現状があれば、明らかに人員の偏りがあります。そのまま放置しておけば、忙しい部署の従業員の不満が溜まって離職にもつながりかねません。
スキルの偏りも考慮すべきです。新入社員や若手と中堅、ベテラン社員をバランスよく配置する必要があります。
従業員個人の状況
従業員個人の状況も把握しましょう。「一人ひとりが適正な成果をあげられているか」「モチベーションが低下していないか」を確認します。仮に休職や離職が相継いでいるとなると何らかの問題が発生している可能性が極めて高いです。また、表には出ていなくても従業員のモチベーションが低下していると、いずれは問題として顕在化します。
管理者が従業員と面談を行い、不満や本音をヒアリングし、モチベーションが低下していないかどうかを定期的にチェックすることが大切です。
自社の立ち位置
社内だけではなく社外に対しても目を向けてみましょう。「他社と比較して自社はどのような立ち位置にいるか」「他社と比較して従業員のスキルやモチベーションは高いのか低いのか」を比較することで、自社の問題点がみえてくることもあります。
組織の課題の見つけ方
経営者が自社の抱える課題を見つけるためには何をすればよいのでしょうか?ここからは組織の課題の見つけ方についてご説明します。
現場の視察
会社で起きている問題を把握するためには、現場をみることが一番です。「現場百遍」という言葉もあります。
普段は、現場を管理者や従業員に任せている経営者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、現場で起きていることがすべて報告に上がってくるわけではありません。課題が生じていても知らず知らずのうちに放置されている可能性もあります。
まずは現場に出向き、どこで・どのようなボトルネックが生じているのかをご自身の目で確認しましょう。
従業員への聞き取り
現場をみるだけでなく、従業員とコミュニケーションをとってしっかりと話に耳を傾けることも重要です。そこで働いている人と対話をすることで、業務フロー上の問題や組織運営上の問題がみつかるかもしれません。なかには耳が痛い意見もあるかもしれませんが、それこそが改善のヒントになり得ます。従業員と直接話をすることでモチベーションを把握することが可能です。
とはいえ、いきなり面談を行っても世間話で終わってしまうかもしれません。従業員もどう話していいのかわからず、戸惑う可能性もあります。この場合、専門のツールなどを活用するという方法もあります。たとえば、Goodモチベーションを使えば部下の不満や本音、課題と思っていることを聞き出し、モチベーション診断ができて課題の改善につなげられます。
外部の専門家に相談する
どうしても社内だけで考えていると偏りが出がちです。社労士、コンサルタント、専門家など、ときには外部の力も借りてみましょう。第三者が別の視点でみることで組織の課題が明らかになるかもしれません。さまざまな企業をみてきた経験から、適切な助言がもらえる可能性もあります。
外部に頼るのは恥ずかしいことではありません。費用はかかるかもしれませんが、それで課題が改善できて生産性が向上すればペイできる可能性も高いです。
ご自身あるいは自社だけで悩むのではなく、その道のプロである専門家に相談することが、問題解決の近道です。
組織の課題改善の流れ
組織の課題がみつかったら解決に向けて実行あるのみです。しかし、闇雲に動いてもなかなか成果は現れないかもしれません。ここからは、組織の課題改善までの流れについてみていきましょう。
ゴールを決める
まずはゴールを決めましょう。みつかった課題に対してそれぞれ「緊急の課題」「3年後の課題」「5年後の課題」というように、解決するまでの期間を設定します。これによって優先順位をつけることができます。
たとえば、すぐに達成できるものやすぐに対応しなければいけないもの(ちょっとした改善で解決できるものや離職者やメンタル不調者の続出など)は、「緊急の課題」に振り分けます。実行するために時間や費用がかかるもの(大掛かりな組織改編や設備投資をともなうものなど)は3年後、5年後というように先に設定します。また、のちに効果測定ができるようKPIを設定しておくことも大切です。
従業員に共有して共通認識を醸成する
経営者層や管理者層だけが課題意識をもっていても意味がありません。「どんな課題が自社にあるのか」「それを改善するために何を行うか」を全従業員に共有しましょう。これによって共通認識を醸成することができ、改善という同じベクトルに向かっていけるようになります。
課題に対する施策を実行する
従業員の共通認識を醸成したうえで課題に対する施策を実行に移していきましょう。業務フローの見直しや組織体制の変更(従業員の配置変更や部署再編)、各従業員のケア(労働環境の改善、教育など)を行います。
従業員が異動を余儀なくされたり業務の進め方が変更になったりして抵抗をもたれる施策を行わなければいけない場合もあるかもしれませんが、共通認識があれば受け入れやすくなります。また、その後のケアもしっかりと行う必要があります。
効果測定
施策は実行するだけでは意味がありません。ゴール設定の際に決めたKPIが達成しているかどうか、効果測定も行いましょう。
たとえば、残業時間の削減をKPIとして設定し、達成できていなかったら依然としてどこかにボトルネックや組織の問題が残っている可能性があります。また、当初の想定とは違った部分に課題があるのかもしれません。
PDCAを回すことで、課題の改善が進み、より良い組織に生まれ変わっていきます。
まとめ
組織の課題は組織運営の方法や組織の構造、各従業員の状況のいずれか、あるいは複数に起因している可能性があります。一番現場を知っているのはそこで働く人たちです。従業員一人ひとりへのヒアリングを行うことで、組織の課題がみつかることもよくあります。
Goodモチベーションを使えば、従業員の不満や本音を聞き出し、組織的あるいは人的な問題や業務のボトルネックなど、さまざまな課題を顕在化することができます。面談とモチベーション診断の結果に基づき専門家のアドバイスを受けることも可能で、さらに「貴社・業界比較レポート」で自社や自社従業員の立ち位置も確認できます。詳しい内容はこちらのページ(https://good-motivation.com/service/tool/)に記載しています。
「企業は人なり」。組織体制を改善し、従業員が働きやすい環境をつくることで経営課題を改善し、生産性向上や成果アップにつなげましょう。
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